島の味噌は、麦味噌です。
甘くて、麹の風味が強い独特の味わい。
初めて麦味噌のお味噌汁を飲んだときは、その独特の風味にびっくり。
でもはまってしまって、初めて島に来た時もおみやげに味噌を買って帰ったのでした。
地元の山梨の甲州味噌は、力強い父の味。
一方、島の麦味噌は、ほっこりやさしい母の味という感じ。
今では、わが家の食卓にはかかせぬものとなりました。
島では6~10月にかけて、仲良しグループや家族で味噌づくりをしています。
わたしが仲間に入れてもらったのは、仲良し姉妹グループ。
ばーちゃんになっても、姉妹でわいわいと味噌を仕込めるなんてすごく素敵です。
<味噌づくりの手順>
1.麦ともち米を混ぜ、蒸す
2.1に種麹を混ぜ、寝かせる (1日半待つ)→麦麹の完成
3.大豆を煮て、つぶす
4.麦麹をほぐし、塩、大豆をまぜて、よく練る
5.樽にいれて熟成させる
おかあさんたちは、味噌を「つくる」とは言いません。味噌は「練る」もの。
その言葉の意味がよくわかりました。材料を混ぜた後、力を込めて、よく練るんです。
よく練ると粘り気がでて、美味しい味噌になるんですって。
味噌を練りながら、おかあさんたちと自分の手を比べてみて、笑ってしまいました。
全然違うんですね。大きさも指の太さも手の皮の厚さも。
おかあさんたちの手は、働き者の手。それに比べると、わたしの手はおもちゃみたいでした・・・
おむすびだって、おはぎだって、この手がつくったら美味しいに間違いない!っていう手。
いい常在菌が住んでいそうな手。
大きさは変えられないだろうけど、わたしの手もだんだん変っていくのかなぁ。
他にも、豆を「かす」(ひたす)・「くる」(つぶす)、小口から混ぜる(端から混ぜる)、麹が「来る」など、
独特の表現や方言があって、味噌づくりを教わるということは、作り方だけではなくて、
こういう言葉やその背景にある文化もひっくるめて教わるっていうことなんだなぁと思いました。
在来作物の研究で有名な山形大学の江頭先生が、
在来作物は、その栽培方法や調理方法など地域の文化を伝える知的財産なのだと
以前講演で話されていたのを思い出しました。
みんなでいろいろ持ち寄って、おしゃべりしながら、楽しい秋の日。
笑い声あふれる中で仕込まれた味噌は、きっとパワーたっぷりのはず。
わたしが練った味噌は、3月ころから食べられるとのこと。と~っても楽しみです。
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